花ゆめの漫画の中でも比較的好きな方の漫画です。
と、同時に理解するのにかなりの時間を要した漫画でもあります。
もう…何度読み返した事か覚えていないくらい読み返した。
多分、ぶっ通しで読んだ回数はこれが一番多いのではないかしら?
初めて読んだ当時が中学生だった事を差し置いても 難しい漫画だと思いました。
まずもう この絵が、「天使禁猟区」の世界観 全てを語っていると言ってもいいと思います。
キレイで幻想的で隙が一切ないけど複雑すぎるくらい複雑。
全てに同じだけ手が入れられているので 息継ぎをする所がない みっちり感。
「天使禁猟区」全20巻も同じ印象です。
全てのエピソード、全てのキャラに渾身の力がこもっている気がして 全く抜ける所がない。
物語的にはシリアスな場面が大半なので 仕方がない気もしますが もう少し抑揚が欲しい所です。
実の妹に恋心を抱いてしまったイケナイ少年(だが、なんと両思いとのこと)、無道刹那は ある日突然 地獄から来たヤツらに女天使アレクシエルの生まれ変わりだと告げられる。
その日から彼の生活はガラリと変わってしまう。
天使界と地獄界のゴタゴタに巻き込まれたせいで命を落としてしまった刹那の妹(兼 恋人)紗羅。
紗羅の命を取り戻すため、彼は星幽界へと旅立ち、それから沢山の天使や悪魔と出会う事によって 前世アレクシエルの因縁と立ち向かっていく事になる。
ストーリーを「軽く説明」することが出来ない漫画です。
読んでいくうちに当初の目的などを見失いがちな構成になっていますが、結局のところ紗羅と物質界(人間界の事)で幸せに暮らすために走り回るお話…という感じでしょうか??
その途中で出逢った人々によって 助けたり助けられたりいろんな事件やゴタゴタに巻き込まれて 紗羅との仲を邪魔されてしまうのです。
あれ?なんだかこのままだと「ドタバタラブコメディー」みたいな煽りになってしまうぞ??とってもシリアスな話なのに…。
沢山の登場人物がいて、沢山のエピソードが詰まっているこの漫画 好きな所、泣いた所をあげていったらキリがありません。
どれも全力投球してあるだけあって とてもステキなエピソードばかりです。
ファンタジーなのにすごくリアルに感じられる。
だからこそ感情移入もドンドンしてしまう(ただし、理解が出来てから)
1つ思ったのが この漫画、「痛み」がリアルに表現されていると思うんです。
怪我などの治りが人間的というか、衰弱が衰弱らしい。
普通ファンタジーだとどんなにリアルに描いたつもりでも やっぱりキャラなどの事情で元気になってもらわないと困っちゃうところだってあるはずなんです。それがすっごく自然。
どんなに偉大な天使や力のある天使でも「1つ」なんだ、と思えるんです。決して無限に恐ろしいものではない。
あぁ…うまく言えない…。
一応、ラストはハッピーエンドと銘打っていますが この場合のハッピーエンドは絶対に二人が死ぬ事だとわたしは思います。
生き残ってしまったらこの先彼らはどうやって人間界で生きていくんだ?
そりゃーあんな死闘をくぐり抜けてきた身です!人間界のちょっとやそっとの壁なんか壁じゃないとは思いますが 兄妹である事実は変わらない。
つまり最初と状況は全く変わっていないのです。
これだけ壮大な話が終って、状況は物語が始まる前と大して変わらないってのは虚しすぎます。悲しすぎます。
二人の心の中には決して揺らぐ事ない絆を手に入れたのかもしれませんが…それだけで満足出来る歳ではないのです。私が!
まぁ、描かれていない所の二人まで心配してやる事はないです。
今、この二人が幸せならいいじゃないか。な!
2007年12月18日
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