2007年03月01日

Fine 全4巻/信濃川日出雄

自分の大学が美術系なせいか、美大が舞台の漫画は 面白いか面白くないか関係なく絶対に手に取ってしまいます。

この「Fine」も美大にまつわる話。
美大を卒業し、社会へ
羽ばたいた人、羽ばたけなかった人の話が詰まっています。

美大を卒業しても自分のこだわりが捨てきれず、就職もできない、絵で成功する事も出来ない主人公、上杉の人生の一部を切り取った話でした。
最初は美大卒業生の負け組の話か?と思っていましたが、最後まで読むとまた少し違ってきました。
といいつつ 最終回になっても主人公が決して成功しているわけではありません。
長い人生の中での一つの山を乗り越えた瞬間を切り取って漫画にした感じ。上杉と、りおと、斉藤の一つの山。

この先山は何個も訪れて、きっとその中に越えれば成功を収められる山もあるんだろうな と。
だからこの漫画の中で成功を収められなかったこと人生負け組と言うわけではないですね。

私は自分をわかってもらうために絵を描いたりはしないのですが、それでもやっぱり絵を描いたら人に見てもらいたいと思って、その気持ちが強くなったら(あと自分の絵に自信がついてきたら)もっと多くの人に見てもらいたいと思うのはごく普通の事だと思います。
その途中でうまくいかなかったら、どうしてなのかを考えるし(人に認められたいと思うのであれば)、自分が描くだけで満足できるのであれば趣味となるだろうし。

上杉が絵で食べていこうとしている以上、生活するために妥協する事はしょうがない事だし、上杉の意見もわかるが、それは 成功してから言わないとやっぱり説得力も何もない。

私はデザインというフィールドなので人に理解される事が必要不可欠なので上杉のやっている事は周りが見えていないと思う他ないのです。

斉藤もりおも上杉も嫌いでした。逆に 嫌なヤツだけど島津はとてもわかる。
そうなると好き嫌いではなく共感できる出来ないの問題なんでしょうね。
最後に島津がクライアントの言う事は絶対と言いながらもう一度戦ってみるよと言える上司になっている事がすごい嬉しかったです。
小さな事かもしれないけど、成長なんじゃないかと思いました。

上杉は今の人たちの生き方と真反対の生き方をしているからうまくいかないのかもしれない。
でもだからこそ人に影響を与えるんだと思います。
成功する成功しないは置いておいて、あんな風に生きてる人が近くにいたら私だって 絶対に影響受けると思います。

さて、考えさせられる事は死ぬほどあった漫画でしたが、イチ漫画としてはそんなに面白いものでもないのかなぁとも…。
装丁がやっぱりキレイなので本棚には残しておこうと思います。
でも何度も読み返したい漫画かどうかと言われたら微妙ですね。

ニックネーム 赤魚 at 18:07| Comment(2) | TrackBack(0) |
この記事へのコメント
装丁きれいですよね、私もそう思って購入しました。
私は結構好きです。Fineという作品を1巻ずつ集めていましたので、続きが気になってしょうがない!って思っていました。そのせいもあって、私この作品は好きです。
というか、人間の表情の見せ方がうまいなぁって思ってみていました。
4間の最後に至ってもあからさまにパッっとした終わりじゃないけど、それが私には高得点でした。
島津とサイトウが痛いほどよくわかるなぁって思った作品でもありました。
最後の最後に島津に戦ってみるよって言える上司になっていたの、反則ですよね笑 かっこよすぎます。
Posted by てんぷう at 2008年05月10日 02:12
てんぷうさん

コメントありがとうございます!

私も、Fineという漫画は好きです。
てんぷうさんのコメントを読んでから 自分で書いた記事を読み返して 自分でもちょっとびっくりしました。
全然この漫画が好きそうな文を書いていないですが 考えさせられる事が死ぬほどあった分、愛着がある漫画です。
最後の島津の「戦ってみるよ」は本当にかっこ良かったです。
小さな事かもしれませんが 素晴らしい事ですよね。

てんぷうさんからコメントをいただいたおかげで Fine、もう一回読み返してみようかなーって気持ちになりました^^

それでは

Posted by 赤魚 at 2008年05月10日 03:35
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